株式会社ファミレッジ 最新ニュース代表・社労士 村井真子が取り組む職場におけるハラスメント対策

株式会社ファミレッジ(愛知県豊橋市・村井真子・村井裕一郎(共同代表))より最新ニュースと活動報告をお届けします。弊社は社会保険労務士、事業コンサルタントの知見をもって、愛知県豊橋市で主に中小企業支援事業を実施しています。中でも近年問合せが増加しているのが「ハラスメント対策」です。

代表の社会保険労務士、村井真子が企業様向けの研修などでお話する、ハラスメントの事例(特にパワハラ)や対策についてご紹介します。

企業に課せられるハラスメントへの対策義務とリスク

◆ハラスメントに関する企業の責任-「防止措置義務」

日本で職場におけるハラスメントが初めて法規定されたのは、1997年の男女雇用機会均等法の改正におけるセクシュアル・ハラスメント(セクハラ)の禁止規定です。この法改正では女性労働者に対するセクハラ対策として事業主に雇用管理上の配慮義務が規定されました。その後2006年の同法改正で男性労働者に対するセクハラも含めて、事業主に雇用管理上必要な措置を講ずることが義務付けられました。

2022年には改正労働施策総合推進法が全面施行。この法令ではパワー・ハラスメント(パワハラ)の防止に対し、企業の義務を定めており、これがパワハラ防止や対策を行う直接的な根拠規定になっています。

この法律の項目違反について明確な罰則はありませんが、厚生労働省からの指導や勧告の対象となり、その勧告に従わなかった場合にはその旨公表されるという社会罰的な規定が置かれています(労働施策総合推進法第33条第1項)。

◆企業が行うべきハラスメント防止措置

・方針の明確化と周知・啓発(ハラスメントを禁じるルールの整備、研修等)
・相談体制の整備  (相談窓口の整備等)
・発生した場合の迅速かつ適切な対応(事実確認、事後対応等)

※参考:厚生労働省作成パンフレット

◆企業にとってのハラスメントリスク

また、最近はハラスメントを受けた側がSNS等で告発することもあり、企業側が把握していないところで事態が明るみに出て、イメージを損なう原因になることもあります。

ハラスメントの基準が曖昧 グレーゾーンでのトラブルも多発!

株式会社ライボの調査機関『Job総研』がハラスメントの境界線の認識と意識や、ハラスメントへの敏感さと年代別割合、また職場でハラスメントが気になった経験と話題、さらに「〇〇ハラ」が増加する時代への賛否とその理由、及びハラスメントの風潮への意識と年代別割合、そして「〇〇ハラ」が増加する時代への向き合い方と価値観などを調査・発表しています。


・ハラスメントの境界線を正しく認識しているのは26.2% 境界線意識は「高くなっている」53.6%
・全体の81.3%がハラスメントに「敏感」 年代別では40代が最多 気にする話題は「外見・体型」
・全体の69.5%が〇〇ハラが増加する時代に「賛成」 理由は「受取り方が個人で違うから」
・全体の56.8%がハラスメントを「気にしすぎだと思う」と回答 年代別では40代が最多
・全体の83.1%が〇〇ハラが増加する時代に「合わせる」も 69.1%が「生きにくい」と回答
※参考:「2024年 ハラスメントの境界線調査」


弊社にも「これはハラスメントにあたるのか?」といった問い合わせは年々増えています。
ハラスメントの主たる原因が「コミュニケーション不足」であることは先述しましたが、発言する前に「これはハラスメントになるのでは」と逡巡して、結果、社内の会話が減っているという事例も見られます。
一方で、明らかなハラスメントとはしがたいものの、ハラスメント告発によってなんらかの処分をしなければならないと悩む企業さんが多いのも事実です。

ハラスメント・ハラスメント“ハラハラ”にも注意!

ハラスメント・ハラスメント(ハラハラ)とは、管理職や上司が適切な指導をしているにも関わらずパワハラやセクハラなどの加害行為であると指摘される事象や、単に自分が不快である状況について相手に対しハラスメント加害を訴える行為をさします。同様の事象を指す言葉には「パワハラと言われるハラスメント」「逆ハラスメント」などがあります。
ハラハラは、主に職場でのハラスメントに関する誤解・理解不足、自己正当化バイアスから生じます。
ハラスメントの境界線が曖昧なことからも起きるこの現象にも注意が必要です。

株式会社ファミレッジのハラスメント研修事例

ファミレッジでは、セルフワーク・グループワークを活用した体感型の研修を、1社ごとにオーダーメードでコンテンツを作成して対応しています。

アンコンシャス・バイアス(無意識の差別)のトレーニング事例


アンコンシャスバイアスとは無意識の偏見や思い込みから「育児は母親が中心となってやるもの」「お客様のアテンドは若くて元気な職員がいい」などといった偏ったモノの見方をしてしまうことです。


・依頼社:老舗のハウスメーカー
・依頼内容:商品デザインのマンネリ化が悩み。コストの観点から基本的な規格は大きく変更できず、お客様とのコミュニケーションのなかでも競合と比べ抜きんでて優位なところがないためにやや決め手に欠ける部分があるという肌感覚を販売社員が共通して持っていた。販売向上に関するコンサルティングの一環で接客に対してもジェンダー・バイアスがあるのではないかと考え、ファミレッジもコンサルティングプログラムメンバーとして参画。

・対策:男女の性差と役割を結び付けて考えるジェンダー・バイアスに関するプログラム、男女逆転ロールプレーを取り入れた研修を実施。男性社員には、子どもに見立てた人形を抱えたまま家のなかを歩く、買い物袋を持ったまま扉を開ける、駐車場からキッチンまで実際にモノを運ぶことをしてもらうなどを体験してもらい、女性社員に対しては男性目線で同様の時間を作り、研修の最後にはそれぞれの気づきを交換。そのうえで、ジェンダー・バイアスのないセールストークとは何か、お客様の情報の量に応じた適切なクロージングトークにおけるバイアスの低い会話とはどのようにするのかをグループで話し合う場を設けた。

・所要時間:約3時間

・結果:セールストークを共有し合うことでより顧客満足につながる販売提案が出来ていると実感が生まれた。着実に契約件数も増えており、特に男性営業社員からは個別のお客様への細やかな声掛けと提案がしやすくなったという声が寄せられた。女性社員からはむしろ働きやすさのほうに影響が出ているとのことで、社内に風通しの良い雰囲気が生まれているというアンケート結果となった。

パワーハラスメント研修


介護現場は、シフト制で同じ高齢者を担当することなどから、マニュアルや引継ぎが重要となります。慢性的な人手不足もあり、十分な研修が行われないまま業務に当たる中で、マニュアルを遵守しない職員がいると、危険な事態になるため、注意をすると「パワハラ」と感じて退職してしまう事態もあり、離職者が多いという課題を抱えている介護施設が多く見られます。

・依頼社:介護施設経営

・依頼内容:離職を防ぐためのハラスメント研修

・対策:実際のヒヤリハット事例を基にした台本をつかい「パワーハラスメントの加害者」「パワーハラスメントの被害者」の双方の立場をロールプレイ体験、グループワークも取り入れたパワーハラスメント研修を実施。

・所要時間:約2時間

・結果:情報伝達の齟齬を防ぎ、心理的トラブル防止につながるケースが増えた。
ロールプレイ台本について自身の考えを伝えたり、ほかの社員の感じ方を共有することによって、多面的なものの見方や考え方についての学びを深められた。パワーハラスメントのリスク、残業時間も削減。離職の多い介護の業界にあって、平均勤務年数5年以上の結果につながった。

参加者のお声


・こんなことでもパワハラになるんだと初めて知った。自分が加害者になることは全く考えていなかったが、今後は周囲に対して配慮の気持ちを持ちたいと思う(人材派遣業/人事労務担当者)
・〇〇ハラという言葉が多くて知らないことがたくさんあると思った。社員の世代が広いので、世代ごとに価値観が違って当たり前だと改めて考えた。この世代の価値観のずれや考え方を今後も研修などを通じて埋めていきたい(製造業/管理職者)
・自社は古い会社で職人気質な社員が多く、若手がなかなか定着しないことが悩みだった。これからはこうした点もフォローの対象にして、個別具体的な社員の背景も含めて職場定着や育成を目指したい(建設業/経営者)

【村井真子 プロフィール】

社会保険労務士・キャリアコンサルタント。福島県出身。家業の総合士業事務所にて実務経験を積み、2014年愛知県豊橋市にて開業。LGBTQアライ。セミナー講師、コラム執筆にも取り組んでおり、現在労務顧問など160社以上の関与先を持つ。
社会保険労務士として、中小企業庁、労働局、年金事務所などでの行政協力業務を経験。あいち産業振興機構外部専門家。地方中小企業の企業理念を人事育成に落とし込んだ人事評価制度の構築、組織設計が強み。
首都圏の大企業でも課題となっている女性管理職のポジションの少なさ、女性登用のノウハウがない、など女性が働く場所をつくる前に、地元企業の管理職についての啓もう活動が必須と実感し、現在、愛知県労働局より雇用調整助成金アドバイザーを委嘱、認定ワーク・ライフバランスコンサルタントとして、地元企業のコンサルを行っている。
近著に『職場問題グレーゾーンのトリセツ』(アルク)。

連載/寄稿・今後の登壇予定

【連載/寄稿/記事監修】
「現代ビジネス」
「朝日新聞SDGs ACTION!」 
「ツギノジダイ」
・「まいにちDODA」(監修)
「Hrzine」
「豊橋・東三河の求人・転職サイトTASUKI」

【株式会社ファミレッジ概要】
設立 :2020年(令和2年)8月 登記
代表者 :村井真子 村井裕一郎 (共同代表)
資本金 :100万円
本社所在地:愛知県豊橋市柱七番町81
業務内容:企業経営の調査研究、指導及びコンサルティング
行政組織、教育組織の計画立案及び策定に関するコンサルティング
企業に対する商品、サービス開発に関する企画、立案、実施及びそれらのコンサルティング
行政組織、教育組織に対する商品、サービス開発に関する企画、立案、実施及びそれらのコンサルティング
企業経営、行政計画についての教育講座の企画運営と人材育成業務
企業、行政機関等の経理、人事、労務、福利厚生等の事務代行・仲介
企業における人事、労務、福利厚生、教育研修業務に関する企画、立案、実施、及びそれらのコンサルティング 他

【本件に関する問合せ先】

株式会社ファミレッジ お問い合わせフォーム https://famillage.biz/contact/